もし 回送中に交通事故 をおこしたら!

どの業界にいくか

この記事では、回送中に交通事故を起こした場合、どうなるのかを詳しく説明します。
一般の公道や私有地内を移動する際でも、やはり車の移動には交通事故に巻き込まれる可能性があります。
自分の不注意で、思わず事故を起こしてしまうかもしれません。

もし交通事故に遭遇してしまった時、各業界ではどのような対応が求められるのか、確認してみましょう。

回送中に交通事故を起こしてしまった場合

一般的な交通事故の場合と基本的に対応方法は変わりません。


事故発生後、ドライバーがどの程度動けるかにもよりますが、以下の手順で対応します。

  1. 自分の身の安全の確保
     
  2. 怪我をしている者の確認と応急処置
     
  3. 110への通報、怪我をしている人がいれば救急車の要請

    オペレーターとつながると
    「事故ですか?」
    「事件ですか?」
    と第一声で聞かれます。

    事故です
    と説明します。
    GPS機能付き携帯電話・スマートフォンをお持ちの場合、通報と同時に位置情報も通報されます。
    正確な場所を伝えられない場合は、わかる範囲で住所や目印になる道路の名称(国道○号・県道○号など)、近くにある建物を伝えてください。
      
  4. 他の交通に迷惑がかからないように、車を移動させるなどの対応
     
  5. 回送業務中・次の回送場所へ向かっている移動中であれば配車に連絡
    (一般の車を運転している時は、保険会社に電話する手順のところが、会社に連絡するに変わるだけです)
  6. 必要に応じて交通整理

回送業務中でも、ドライバーに責任が発生します

保険の手続きやお客さんへの対応は会社が行います

回送中に事故を起こした場合、回送会社が利用している保険が適用されます。ご自身が乗っている自動車の保険は、業務中のため使えません。

保険などのお金に関すること、取引先に関することは、会社や保険側が手続きを行います。
回送車は基本的に会社側がその都度保険に加入して回送します。

しかし

事故を起こして加害者になった場合、その責任はドライバーに発生します。

自動車保険には免責というものがあり、回送中の車も保険に加入しています。
しかし、回送中の車を傷つけてしまった場合、その免責金額はドライバーが負担しなければなりません。
(保険が適用されるには、一定の金額まで修理費を負担しなければいけません、数万円レベルの免責費用が発生します)

常に100点の運転ができるように注意しましょう

  • 運転技術は高い方が望ましいですが、必ずしも高くなくても問題ありません。
  • 時間(期限)までに確実に回送する
  • 無事に届けること

これができればOKです。慌てると、交通事故などを起こしやすくなります。

運転中に体調不良や集中できない時は、すぐに配車係に相談します
(体調が悪い状態で無理に運転することは避けてください。回送車には期限がありますが、その場合、代理のドライバーに交代するのか、そのまま待機して様子を見るのかを判断してくれます)


残念なことに、例えば0対10の事故になっても、事故に巻き込まれたことでの責任(お預かりした車を傷つけてしまったことへの責任と補償)も発生します。
個人の自動車保険には「免責0特約」のようなものがあり、これにより金銭的な負担を軽減することができますが、回送業務では「免責0」はありませんのでご注意ください。
車の運転には、くれぐれもご注意ください。

各レンタカー営業所が募集する回送業務


おそらく、各業界の中では、最も事故に巻き込まれる可能性が少なく、通勤の行き帰りの方が事故に遭う確率が高いかもしれません。

基本的な問題

営業所~駐車場~時々整備工場~お客様宅

などの移動を考慮しても、長期間乗ることはないため、交通事故に巻き込まれる可能性は低いと思われますが、レンタカー店で働く場合、どのような契約になるかが重要です。

ほとんどの店舗は「雇用契約」に該当すると思います。
雇用契約とは、労働を提供し、その対価として報酬を受け取る契約です。

雇用契約に基づく労務中の損害賠償は、犯罪や明白な過失がない限り発生しません。

よくあるコンビニのバイト中に発生する損害賠償も、スタッフが正しく労務に従事していた場合、お店側が責任を負います。

レンタカー店でも同様に、運転中に携帯電話を見ていた等の過失がない限り、お店側が負担することになります。
自分が怪我をした場合は、労災の対象となりますが、回送業界では、適切に業務に従事していれば、比較的守られることが多いです。

回送業者専門の会社が募集する回送業務


回送業者が実施する回送業務の場合、契約内容により異なります。

雇用契約の場合、業務委託契約の場合、どちらも事故を起こすと、ドライバーにも何らかの責任が発生します。
その負担を少しでも軽減するために、回送業者はドライバーの回送毎に、自動車保険をかけています。

自動車保険は回送ごとの報酬を減少させますが、事故が発生した際のリスクを最小限に抑えることができます。

車に対する保険

レンタカー車の場合、事故が起こった時は、自走可能なら○万円・レッカーなら○万円という契約になっています。特約などは付いておらず、免責が0になることはありません。

損害賠償

ドライバーには損害賠償が発生することがあります。
レンタカー店から依頼を受けて、回送業者は運営しています。依頼された形を達成できず、預かった車を事故という形で回送できなかった場合、損害賠償を支払うことになります。

ドライバーには車に対する保険の免責分および損害賠償が発生しますので、くれぐれも事故を起こさないように注意してください。

自動車整備・自動車販売会社が募集する回送業務


自動車整備会社や販売会社が実施する回送業務の場合も、回送業者と同様に契約内容により異なります。

雇用契約の場合、業務委託契約の場合、どちらも事故を起こすと、ドライバーにも何らかの責任が発生します。
その負担を少しでも軽減するために、回送業者はドライバーの回送毎に、自動車保険をかけています。

自動車保険は回送ごとに保険料がかかりますが、事故発生時のリスクを最小限に抑えることが可能です。

車に対する保険

会社や車に予めかけてある保険を使用することになるかと思います。

損害賠償

ドライバーには損害賠償が発生することがあります。
お客様から依頼を受けて、業者は運営しています。依頼されたサービスの一貫として回送があります。その作業が不十分であると判断された場合、その会社の信用にも影響を及ぼす可能性があります。

ドライバーには車に対する保険の免責分および損害賠償が発生しますので、くれぐれも事故を起こさないように注意してください。

各業界も含めたまとめ


車を指定された場所から指定された場所まで、安全に回送することがこの業界の使命です。回送中の交通事故は避けて通れるものであれば、すべて避けたいものです。

それが第一原則です。

しかし、多様な車が走る道路上では、自分の不注意以外の要因で事故が発生することもあります。

交通事故を起こさないことが原則ですが、ドライバーの安全が最優先です。回送している車を安全に運ぶことが大切です。

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私の車と相手の車の破損品

私も先日、交差点で停まっている時に後ろから追突され、愛車が大破しました。

ドライバー歴30年以上のベテランさんも多くいますが、交通事故を経験したドライバーもいれば、まだ経験していないドライバーもいます。交通事故を防ぐために、右左折や車線変更は周囲のドライバーにわかりやすく行い、メリハリをつけた運転を心がけ、時折休憩しながら回送業務に従事することが大切です。

事故を起こした時、ドライバーの立場は非常に弱くなります。

でも運転って楽しいですよね


周囲のドライバーに、自分がしたいことが伝わる運転を心がけてくださいね。自分も回送ドライバーを目指していましたが、本当に向いているのか迷ったことがあります。そんな方のために、チェックシートを作ってみました。

なお、各都道府県の警察では、管轄の都道府県で発生した事故マップのようなものを作成し、ホームページで公開しています。

警視庁の場合はこちら「事件事故発生マップ

こういった事故マップも参考にしてください。