漢字の通り、「車を回送」というのは車を回すことのように思われがちですが、実際の意味について詳しく解説していきます。

回送という意味を調べてみると
「車を回送する」という表現は、バスや電車でよく聞く「回送車が来ます」というアナウンスの方が馴染み深いかもしれません。
さらに、飛行機などでも使われます。
回送という意味を確認してみると
回送とは、鉄道車両、バス、自動車などを空のまま他の場所に移動させることです。
(出典:wikipedia回送)
「回送」とは、使用目的が終了した移動車両を、元の位置に戻すこと、または目的地に移動させる手段のことを指します。
回送は人が乗っていない状態で行われるため、燃費や時間を効率よく考慮することが多いです。また、特定の運転手が専門的なスキルを持っている場合、その運転手が回送を担当することもあります。さらに、大型車や特殊車両の回送には専門の資格が必要な場合もあり、事前の準備や手続きが必要です。
車を回送する場合
- レンタカー
- 営業車
- 作業をする特別な車など
車庫から目的地だけでなく、車庫から整備工場など、車庫から相手が希望する場所へ運ぶことも「回送」といいます。
車の回送、こんなにいろいろな種類があります
1. レンタカー関連の回送
- 乗り捨てられたレンタカーの回送
他の営業所に乗り捨てられた車を元の営業所に戻す回送。 - 営業所と駐車場の間の回送
営業所と保管場所が離れている場合、移動のための回送。 - 企業へのレンタカーの回送
企業がレンタカーを利用する際、営業所から会社や事務所へ回送。
2. 整備・車検に関する回送
- レンタカーや営業車の整備回送
レンタカーや営業マンの車を定期点検・整備のため工場へ回送。 - 個人・企業の車を整備工場へ回送
車検や修理のため、個人宅や企業から整備工場への回送。 - 新車購入後の納車回送
購入された車をディーラーからお客様の元へ回送。
3. イベント・特別用途の回送
- イベント車両の回送
キッチンカーや宣伝車など、イベント会場まで回送。 - 特別業務用車両の回送
調査や作業に使う特殊車両を指定地域まで回送。 - 撮影用車両の回送(新規追加)
映画やCM撮影などに使う車を撮影現場へ回送。
4. その他の回送
- 引っ越しや長期出張時の回送
引っ越し先や出張先で利用するために車を回送。 - 事故車両の回送(新規追加)
事故車を修理工場や指定の保管場所へ回送。 - 展示車両の回送(新規追加)
自動車ディーラーが展示会場やショールームへ車を回送。
などなど、多くの種類があります。
自動車を輸送する際、一般的には…

陸送やレッカー移動という言葉とかぶる部分もあります。
一般的に陸送ドライバーと回送ドライバーは同じように思われるかもしれませんが、実際は異なる方法で行われ、必要な資格も違います。
回送に近い言葉と違い
陸送
車を陸上で輸送することを目的としています。
海送
車を海上で輸送することを目的としています。
と言うことで「回送」!
回送は、陸送を効率よく行い、時間管理が非常に重要な業界です。
ドライバーはどのように車を回送するの?
基本的に、車両運搬は新車などが商品として運ばれる場合に行われます。
故障などで自走できない車はキャリアカーによるレッカー移動となりますが、ほとんどのレンタカーは自走する回送が一般的です。
1台の車を回送するには、1人のドライバーが必要です。回送業界では、ドライバーの数が常に足りない状態が続いています。
自走回送
ドライバーは、回送する車に直接乗り込み、その車を運転して目的地へ向かいます。普通車でも大型車でも、バスも自走で回送できるんですよ。
自走回送と呼ばれるこの方法は、運転手のスキルが重要な仕事です。

メリット
- コストが安い: 他の方法に比べて、人件費のみで済むため、コストを抑えることができます。
- 柔軟性が高い: 狭い道や交通量の多い場所でも、ドライバーの技術で対応できるため、目的地を選ばずに回送できます。
- 車の状態確認: 回送中に車の状態を直接確認できるため、異音や不具合にいち早く気づくことができます。
デメリット
- ドライバーの確保: 回送する車種に合わせた運転免許を持つドライバーを確保する必要があります。
- 時間: 長距離の回送の場合、目的地に到着するまでに時間がかかります。
- 事故リスク: ドライバーの体調や道路状況によって、事故のリスクがあります。
どんな時に使われる?
- 中古車の納車: 購入された中古車を顧客のもとへ届ける。
- レンタカーの移動: 需要に合わせて、レンタカーを別の営業所へ移動させる。
- 修理工場への搬送: 故障した車を修理工場へ運ぶ。
- イベント会場への搬送: モーターショーや展示会などに出展する車を会場へ運ぶ。
車両運搬
こちらはレッカー車やキャリアカーに回送する車両を載せて運ぶ方法です。普通車から大型車、さらにはバイクまで運んでしまいます。
車両運搬は、回送にも含まれることがありますが、少し専門的な仕事でもあります。

メリット
- 安全: ドライバーの負担が少なく、事故のリスクを低減できます。
- 効率: 一度に複数の車を運ぶことができるため、効率的です。
- 特殊車両: 自走できない車や、特殊な形状の車でも運ぶことができます。
デメリット
- コスト: レッカー車やキャリアカーを使用するため、自走回送に比べてコストが高くなります。
- 制限: 道路の幅や高さ制限など、運搬ルートに制限があります。
- 積載: 車を積載する作業や、固定する作業に手間がかかります。
どんな時に使われる?
- 新車の輸送: 工場から販売店へ新車を輸送する。
- 事故車の搬送: 事故で自走できなくなった車を修理工場や保管場所へ運ぶ。
- 不動車の移動: 長期間放置され、自走できなくなった車を移動させる。
- レース車両の輸送: サーキットへレース車両を運ぶ。
- 海外への輸送: 輸出入に伴う、車輛の港湾への輸送。
車の回送をするドライバーにはこんな資格が必要です
回送の方法によって必要な資格が異なります。

自走するドライバー
必要な免許:
自走する車の種類に応じた運転免許が求められます。普通車の回送には普通免許、中型車や大型車の回送にはそれぞれの免許が必要です。なお、自走回送の場合、第二種免許は不要です。
たとえば、レンタカーの回送では第一種免許があれば対応可能です。複数の免許を持ち、さまざまな車を運転できる経験豊富なドライバーは、回送業界でも貴重な存在として重宝されます。
車両運搬のドライバー
必要な免許:
キャリアカーで車を運ぶ場合は、そのトラックの運転免許が必要です。大型キャリアカーなら大型免許や牽引免許も求められます。もし、運搬が委託業務であれば、第二種免許が必要になる場合もあります。

回送ドライバーは多くの資格を持っていることが重要です。普通車から大型車まで幅広く運転できるスキルがあれば、企業からの信頼も厚くなります。
また、実際の運転経験が豊富なドライバーは、特に優遇される傾向にあります。
資格以外にもあった方が良い能力
- 運転が大好きなこと!
運転が主な仕事なので、ドライブが好きであることが大切です。好きこそものの上手なれ、というように、運転への情熱が長続きの秘訣です。 - カーナビやスマホの地図アプリを使いこなすこと
回送中、最適なルートを選ぶためにはナビの活用が不可欠です。また、公共交通機関を利用する際にも、乗り換えアプリなどが役立ちます。 - どこでも仮眠が取れること
回送中は、車内やネットカフェなどで仮眠を取ることが多いです。限られた休憩時間で体力を回復させるスキルも大切です。 - スマホやメールでの連絡ができること
配車担当者とのやり取りは基本的にスマホやメールで行います。連絡が遅れると仕事の効率が落ちるので、スムーズなコミュニケーションが求められます。 - 公共交通機関を使いこなすこと
回送業務では、目的の営業所や車両受け渡し場所まで電車やバスで移動することもあります。そのため、乗り換えの検索アプリを活用できると便利です。 - 指定時間までに目的地に到着する能力
回送では時間通りの移動が求められます。もし遅れそうな場合は、速やかに担当者へ「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を行うことが重要です。
「ホウレンソウ」とは、ビジネスシーンにおける情報共有の基本となる「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった言葉です。
「報告」は、上司や関係者に対して業務の進捗状況や結果を伝えることを指します。特に、問題が発生した場合や予定と異なる事態が起きた際には、速やかに状況を伝えることが求められます。
「連絡」は、業務に関係する情報を関係者に共有することです。会議の日程変更、作業の遅延、重要事項など、業務に影響する内容は迅速かつ正確に伝える必要があります。
「相談」は、業務上の問題や疑問点について、上司や同僚に意見やアドバイスを求めることを意味します。一人で判断が難しい場合や専門的な知識が必要な場面で活用し、円滑な業務遂行につなげます。
車の回送ドライバーを募集している回送業界の種類
回送ドライバーの求人はさまざまな業界で募集されています。以下のような会社で募集を見つけることができます。
- レンタカー営業所での回送業務
- 回送業者専門会社による業務
- 自動車整備・販売会社での回送業務
それぞれの業界で、さまざまなタイプの車両を扱うことになります。自分に合った業務を選ぶことで、回送ドライバーとしてのキャリアも広がりますよ。
忙しい時期は波のある仕事です
回送業務には、繁忙期と閑散期の波があります。特にレンタカーの回送では、夏休みや年末年始など利用者が増える時期に仕事が集中します。お客様が返却した車をすぐに次の利用者に貸し出すために、スピーディーな回送が必要になります。
反対に、シーズンオフの時期は回送の依頼が少なくなるため、ドライバーの仕事量も減ることがあります。このような波を理解して、うまくスケジュールを調整することが大切です。
レンタカーの回送の場合
レンタカーの回送は、利用者が多いシーズンに仕事が集中します。レンタカー店は車を早く戻して次のお客様に貸し出したいため、返却された車をすぐに回送する必要があります。
シーズンオフの時期には、レンタカーの利用が少ないため、回送の仕事も減少することが多いです。こうした変動を見越して計画的に働くことが求められます。
大型車・大型特殊自動車の回送の場合
大型車両や特殊車両の回送には、運転するための特別な免許が必要です。多くの輸送会社では、大型トラックや重機を整備工場に回送する業務が含まれます。また、大規模な工事現場に必要な特殊車両も現場まで運ばれます。
こうした車両を運転できるドライバーは、業界で非常に重宝されるため、資格取得がキャリアアップにつながります。
その他の車の回送
整備や車検のための回送では、車がいつ壊れるかわからないため、急な対応が求められることもあります。また、車を購入する時期が重なると、納車の回送も集中します。
一方で、シーズンオフにはこうした仕事が減るため、安定収入を得るには計画的な働き方が必要です。
車の回送には、日々の運転スキルの向上とともに、時間管理や効率的な移動の工夫が欠かせません。運転が好きな方にはやりがいのある仕事ですよ!